ご家族が亡くなられた後、「専門家に頼むと費用がかかるので、相続手続きはできるだけ自分で進めたい」と考える方は少なくありません。
結論からいうと、相続手続きそのものはご自身で進めることも可能です。法律上、必ず弁護士などの専門家に依頼しなければならないわけではありません。
ただし、相続では戸籍の収集、財産・負債の調査、相続人全員での遺産分割協議、預貯金や不動産の名義変更など、やるべきことが多くあります。期限のある手続きもあるため、途中で行き詰まってからご相談に来られる方も少なくありません。
この記事では、熊本で相続手続きを自分で行う場合の流れ、注意点、弁護士に依頼するメリットを高石法律事務所が解説します。
相続手続きは自分でできる?
相続人の関係がシンプルで、財産の内容も明確な場合は、ご自身で手続きを進められることがあります。たとえば、相続人が配偶者と子ども1人だけで、相続人全員の関係が良好、遺産が預貯金中心で、借金や不動産の問題がないようなケースです。
一方で、相続人が複数いる場合や、不動産・借金・生前贈与・介護への貢献などが関係する場合は、早い段階で専門家に相談した方が安全です。相続では「少しの認識違い」が、親族間の大きな対立につながることがあります。
自分で進めやすいケース
- ・相続人が少なく、全員と連絡が取れる
- ・相続人同士の関係が良好で、遺産の分け方に大きな争いがない
- ・遺産が預貯金中心で、財産の内容を把握しやすい
- ・借金や保証債務などのマイナス財産が見当たらない
- ・平日の日中に、熊本県内外の役所や金融機関へ連絡・訪問する時間を確保できる
弁護士へ相談した方がよいケース
- ・相続人同士で意見が合わない、または話し合いが感情的になっている
- ・疎遠な相続人、遠方の相続人、連絡が取れない相続人がいる
- ・遺産に不動産、事業用財産、高額な預貯金などが含まれる
- ・借金、保証債務、未払い税金などの負債がある可能性がある
- ・遺言書、遺留分、特別受益、寄与分、介護負担などが問題になりそう
- ・一部の相続人が預金を使い込んだ疑いがある
自分で相続手続きを行う場合の主な流れ
相続手続きを自分で進める場合、一般的には次のような流れになります。
戸籍を集めて相続人を確認する
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍などを集めます。本籍地が熊本県外に移っている場合は、複数の自治体へ請求が必要になることもあります。
財産と負債を調査する
預貯金、不動産、株式、保険、車、借金、保証債務などを確認します。通帳や郵便物だけでは把握できない財産・負債が見つかることもあります。
相続人全員で遺産分割協議を行う
誰がどの財産を取得するのか、相続人全員で話し合います。1人でも同意しない相続人がいると、原則として遺産分割協議は成立しません。
遺産分割協議書を作成する
話し合いがまとまったら、金融機関や法務局で使える内容の遺産分割協議書を作成し、相続人全員が実印で押印します。
預貯金の解約・名義変更、不動産の相続登記などを行う
金融機関ごとに必要書類が異なります。不動産を相続した場合は、相続登記の申請も検討する必要があります。
自分で進める際に注意したい4つの期限
相続手続きには、期限を過ぎると不利益が生じるものがあります。特に次の期限は早めに確認しておきましょう。
| 手続き | 主な期限 | 注意点 |
| 相続放棄・限定承認 | 自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内 | 借金が多い可能性がある場合は、財産調査を急ぐ必要があります。 |
| 準確定申告 | 相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内 | 亡くなった方に申告が必要な所得がある場合に問題になります。 |
| 相続税申告・納税 | 被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内 | 遺産額が基礎控除を超える可能性がある場合は、税理士への相談も検討します。 |
| 相続登記 | 不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内 | 令和6年4月1日から相続登記が義務化されています。 |
期限の起算点は手続きごとに異なります。少しでも不安がある場合は、「まだ時間がある」と思わず、早めに確認することが大切です。
熊本で相続手続きを弁護士に依頼するメリット
1. 手続き全体の見通しが立てられる
相続では、戸籍収集、財産調査、遺産分割、相続放棄、税務申告、不動産登記など、複数の手続きが同時に関係します。弁護士に相談することで、何を先に行うべきか、どの専門家と連携すべきかを整理できます。
2. 他の相続人との交渉窓口になれる
相続人同士で直接話すと、感情的になりやすい場面があります。弁護士が代理人として窓口になることで、法的な根拠に基づいて冷静に話し合いを進めやすくなります。
3. 財産・負債の見落としを防ぎやすい
預貯金や不動産だけでなく、借金、保証債務、使途不明金などが問題になることもあります。弁護士が関与することで、必要な資料を整理し、見落としがないか確認しながら手続きを進められます。
4. 書類の不備によるやり直しを防げる
遺産分割協議書の記載が不十分だと、金融機関での解約や不動産の名義変更で手続きが止まることがあります。最初から実務で使える内容に整えておくことで、後日のやり直しを防ぎやすくなります。
5. 調停・裁判になっても一貫して対応できる
話し合いで解決できない場合は、家庭裁判所での調停などを検討することになります。弁護士であれば、交渉段階から調停・審判などの手続きまで、一貫してサポートできます。
なお、相続税の申告は税理士、不動産登記の申請は司法書士と連携する場合があります。高石法律事務所では、ご相談内容に応じて必要な手続きを整理し、適切な進め方をご提案します。
熊本で相続手続きに迷ったら高石法律事務所へ
「自分のケースは弁護士に頼むべきか分からない」「相続人と直接話すのがつらい」「借金があるかもしれず、相続放棄を検討したい」など、相続に関する不安は早めに整理することが大切です。
熊本市中央区の高石法律事務所では、遺産分割、相続放棄、遺留分、相続財産調査など、相続に関するご相談を受け付けています。初回相談は1時間無料ですので、費用面が不安な方もまずはお気軽にご相談ください。
相続は、手続きが進むほど関係者の感情や利害が複雑になりやすい問題です。トラブルが大きくなる前に、熊本の高石法律事務所へご相談ください。
よくある質問
Q. 相続手続きを自分で始めた後でも、途中から弁護士に相談できますか?
はい、途中からでも相談できます。戸籍収集や金融機関対応で止まっている場合、相続人との話し合いが進まない場合など、現在の状況を整理したうえで今後の進め方をご提案します。
Q. 相続人同士で揉めていなくても弁護士に相談する意味はありますか?
あります。相続人調査、財産調査、期限管理、遺産分割協議書の内容確認など、トラブルを予防するための相談も可能です。
Q. 司法書士や税理士ではなく弁護士に相談すべきケースはどんな場合ですか?
相続人同士で意見が対立している場合、遺留分や使い込みが問題になっている場合、調停・裁判の可能性がある場合は、弁護士への相談が適しています。税務や登記が関係する場合は、税理士・司法書士と連携して進めることがあります。
Q. 相談時には何を持って行けばよいですか?
遺言書、戸籍、固定資産税の納税通知書、通帳、金融機関からの書類、借金に関する資料など、手元にあるものを可能な範囲でお持ちください。資料がそろっていなくても相談は可能です。