弁護士コラム

◇昭和32年に金銭の贈与を受けた場合の特別受益の考え方がどうなるかとのご相談

【相談内容】80代、女性

父親がなくなり、相続人は私と兄の2名です。父親からは、兄に昭和32年に100万円を贈与したと聞いています。昭和32年と現在とでは貨幣価値が違うと思いますが、兄が受け取った金額はどのように遺産分割で考慮されるのでしょうか。

【対応方法】

貨幣価値は、時代により変動しており、昭和32年の消費者物価指数は17.2です。すなわち、昭和32年時点での貨幣価値は、現在の貨幣に換算すると約5倍の価値があることになります。

そのため、兄が昭和32年に父親から受け取った100万円については、現在の貨幣価値に直すと約500万円を受け取ったものと考えられます。したがって、遺産分割協議においては、兄が約500万円を特別受益として受け取ったものとして進めることが合理的です。

【弁護士から一言】

遺産分割協議において特別受益の有無やその評価額が問題になることが多々見受けられます。特別受益が争点になる場合には、解決が困難な場合も多く、弁護士に相談することをお勧めします。

熊本・八代・天草・玉名・宇城・荒尾にお住まいで、相続(遺産分割)・遺言・遺留分・相続税などでお悩みの方は、一度当事務所の無料相談をご利用ください。