弁護士コラム

◇相続人のうち一人が遺産の建物を無償で使用しているときに、賃料相当額が特別受益として加算されるのではないかとのご相談

2022.09.07

【相談内容】60代、男性

父親がなくなり、相続人は、私と姉です。私は、父親と同居していましたが、数年前に父親が施設に入所したため一人で暮していました。

ここで、遺産分割協議をするにあたり、姉から「建物を無償で使用していたので、賃料相当額について特別受益として加算すべきだ」と主張されています。

このような主張は妥当なものでしょうか。

【対応方法】

遺産のうち建物を無償で使用した場合には、無償使用した相続人が特別受益を得たのではないかということが問題になります。

ここで、建物の無償使用については、一般的に被相続人の意思としては、恩恵的性格が強いものであり、特別受益として持ち戻すことを想定していないと言えます。そのため、無償使用した相続人は、賃料相当額を特別受益として持ち戻す必要がないことになります。

本件では、建物を無償使用したとのことですが、賃料相当額を特別受益として持ち戻す必要はないものと思われます。

【弁護士から一言】

相続人の一人が建物を独占して使用していた場合には、その賃料相当額を特別受益として持ち戻すべきとの主張が多く見受けられます。しかし、かかる主張につきましては、一般的には認められないことになります。

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