弁護士コラム

◇養育費が未払いになった場合の回収方法

2024.08.02

熊本県熊本市の高石法律事務所の本ブログでは、様々な法律問題を取り上げて実践的なソリューションのヒントを提供して参ります。誰もが直面する可能性のある法律の疑問や困惑に対して、明確で理解しやすい解説を心がけています。

高石法律事務所は、皆様の法律上のお悩みや不安を解消するための信頼できる情報源でありたいと考えています。このブログを通して、皆様がより安心して日々を過ごせるような、有益な法律情報を提供して参ります。
今回は“養育費が未払いになった場合の回収方法”についてお話しします。

養育費未払いの現状と影響

養育費の未払いは、離婚後の子どもの生活に直接的な影響を与える深刻な問題です。近年、養育費の未払い率の高さが社会問題として注目されており、多くの子どもたちが経済的困窮や教育機会の喪失、さらには心理的ストレスにさらされています。このような状況を改善し、子どもたちの健全な成長を支援するためには、養育費の確実な支払いと、未払いが発生した場合の効果的な回収方法が不可欠です。

 

養育費の取り決め方法

養育費の取り決めは、離婚の形態によって異なります。協議離婚の場合、当事者間の合意が基本となりますが、その合意を公正証書にすることで法的な効力を持たせることができます。一方、調停離婚や裁判離婚の場合は、裁判所の関与により養育費が決定されます。いずれの場合も、将来の未払いリスクを考慮し、強制執行認諾文言を含む公正証書の作成や、定期的な見直し条項の挿入など、事前の対策を講じることが重要です。

 

未払い発生時の対応手順

直接交渉

養育費が未払いになった場合、まずは相手方との直接交渉を試みることが望ましいでしょう。支払いが滞っている理由を確認し、支払いを促すことで、問題が解決することもあります。しかし、この際には必ず書面での記録を残すようにしましょう。交渉が不調に終わった場合の法的手続きの証拠となります。

 

法的手続きの検討

直接交渉で解決しない場合は、法的手続きを検討する必要があります。養育費請求調停の申立てや、強制執行の準備を進めることになります。強制執行には、財産の差押えや給与差押え、預金口座の差押えなどの方法があります。また、支払督促という簡易で迅速な手続きを利用することも可能です。ただし、相手方が異議を申し立てた場合は通常の訴訟に移行するため、その対応も考慮に入れておく必要があります。

 

間接強制と公的支援制度

間接強制

裁判所による間接強制の手段もあります。これは、裁判所が支払い義務者に対して履行を勧告し、従わない場合には過料を科すというものです。この方法は、相手方に心理的なプレッシャーをかけ、支払いを促す効果があります。

 

公的支援制度

養育費の確保のための公的支援制度も整備されつつあります。養育費立替払い制度は、一時的に国が養育費を立て替え、後に支払い義務者から回収するというものです。また、ひとり親家庭への経済的支援として児童扶養手当制度もありますが、これは養育費の有無や金額によって支給額が調整されることに注意が必要です。

 

養育費の見直し

養育費の金額は、子どもの成長や両親の経済状況の変化に応じて見直すことが可能です。子どもの教育費の増加や、支払い義務者の収入増加などを理由に増額請求をすることができます。逆に、支払い義務者の経済状況の悪化や子どもの独立などにより、減額請求が認められることもあります。

 

専門家への相談の重要性

これらの手続きや制度を適切に活用するためには、専門家のアドバイスが不可欠です。弁護士に相談することで、自分の状況に最適な法的手続きの選択や、効果的な交渉戦略の立案が可能になります。また、行政の相談窓口も積極的に活用し、各種支援制度の情報を得ることも重要です。

 

お一人で悩まずにご相談ください

養育費の問題は、単なる金銭の問題ではありません。それは子どもの未来を左右する重要な問題なのです。高石法律事務所では、こうした養育費に関する問題について、豊富な経験と専門知識を基に、最適な解決策をご提案いたします。養育費の未払いでお悩みの方は、一人で抱え込まず、ぜひ専門家にご相談ください。

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