弁護士コラム

◇不貞行為を行った者が破産したいとのご相談

2018.10.11

【相談内容】30代、男性
 私は、不貞行為を行ってしまい、妻から慰謝料として300万円を請求されています。生活費が足りず借金も重ねており、負債は500万円に及びます。また、収入も年々減少しており、このままでは借金の返済さえままならない状況です。私が悪いことをしてしまったとは思うのですが、破産して慰謝料請求についても免責されるものなのでしょうか。
【弁護士の回答】
 破産免責が及ばない債権としては、破産法上「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」が挙げられています。この「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」とは、破産者が債権者に対して積極的な害悪を加える目的で行った不法行為に基づく損害賠償請求権と解されています。
 ここで、不貞行為は、不法行為に該当するものですが、原則として積極的に相手方配偶者を害する目的というわけではありませんので、原則として「破産者が悪意で加えた不法行為」とは解されていません。したがいまして、ご相談者様が破産した場合には、原則として不貞行為に基づく慰謝料請求権は免責されることになります。
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