弁護士コラム

よくあるご相談:親権編

2021.03.18

Q:専業主婦で収入がなくても、親権は取れますか?

未成年の子がいる夫婦の協議離婚では、子それぞれに親権者を定める必要があります。日本は欧米のように離婚後も家族ぐるみで交流を続けるといった文化がなく、子どもの監護に当たらずに別居する親は子どもと頻繁に会えなくなるのが一般的ですから、親権獲得に絡む問題も多く発生します。

福祉の観点では、あくまで「お子さんにとって」誰と暮らすのがもっとも幸せかが重要視されますので、経済的な理由だけで専業主婦が親権を持てないということはありません。実際に、子どもが幼い場合には基本的には母親が親権を取得することになります。経済的な問題は、相手方から養育費の支払いを受けることなどで解決されると考えられています。

ただし、母親が子どもを虐待しているとか、母親が仕事で不在がちなのに子どもの面倒をほかに見てくれる人がおらず保育園にも預けていないなどの養育環境の場合、子どもが幼くても父親が親権を獲得する可能性があります。

 

Q:親権を持った妻が離婚後、子どもに会わせてくれないのですが…。

離婚によって未成年の子と別々に暮らすことになったほうの親は、「面会交流」という制度を利用して、子どもと会う権利が認められています。

親権を持つ元配偶者が面会交流に応じない場合、まずは書面の郵送などで面会交流に応じるように通知します。それでも応じないときは、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。さらに調停でまとまらない場合は、審判となり裁判所の判断を仰ぐことになります。

親権を巡ってはなかなか決着がつかず、調停や裁判に進むケースも少なくありません。当事務所では、調停・裁判となる前に、平和的解決の方法を探ります。お一人で悩んでいる方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

親権者の決定で考慮される基準

・母親であること(特に乳幼児は母親が優先されます)
・資産、経済力(養育、生活のための資金を確保できるかどうか)
・監護の継続性(現在の監護状況など)
・子どもの意思(原則として15歳以上の未成年の子どもが対象)
・兄弟姉妹の状況(兄弟姉妹を引き離さない方向を求められる)

 

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